特許権は、「発明」という技術的アイデアを保護対象とし、権利の存続期間は出願から原則20年です。保護対象としての発明には、「物」の発明、「方法」の発明、「物を生産する方法」の発明があり、プログラムの発明も「物」の発明として保護対象となります。
実用新案権は、特許権と同様、技術的アイデア(「発明」ではなく「考案」といいます)のうち物品の形状や構造を保護対象とし、権利の存続期間は出願から10年です。実用新案権は無審査で登録され、「方法」は保護されません。
当事務所では、主に機械、電気、通信、IT等の技術分野を取り扱っております。
当事務所にお越し頂くか、またはお客様のところにお伺いし、アイデアの内容について打ち合わせをさせて頂きます。打ち合わせの費用は発生いたしません。
特許出願前に関連性の高い先行技術の有無について調査を行い、調査の結果は調査報告書を作成してご報告いたします。調査報告書には、先行技術に関する資料(特許公報等)を添付するとともに、先行技術との関係から見た特許取得の可能性を示します。
調査の結果、関連性の高い先行技術が発見された場合は、発明の内容を再考するために再度お打ち合わせをさせて頂く場合があります。その場合、新たな内容につきましては、当事務所から特許取得の可能性を高めるためのご提案をさせて頂きます。
先行技術調査の結果を考慮した戦略的な出願を行います。出願書類には権利を請求する範囲を記載しますが、この範囲は広いほど好ましいです。しかし、請求の範囲を広くするほど権利化が難しくなり、狭すぎると権利はとれても使いものになりません。
当事務所では、出願前の先行技術調査を十分に行い、特許庁での審査結果を予測した出願書類の作成をすることにより、可能な限り広く強い権利取得を目指します。
出願書類の作成におきましては、設計図面やプレゼン資料など、書類作成の参考になる資料をご提供頂きます。出願書類の作成には通常1ヶ月ほどお時間を頂きますが、お急ぎの場合は極力対応いたします。出願書類の案を作成しましたら、その内容をご確認頂いて必要な修正を行います。
出願書類の内容が確定しましたら、特許庁に出願書類を提出します。出願は当事務所が代理人となりますので、その後の特許庁に対する手続はすべて当事務所が行います。出願と同時に出願番号が付与されますので、出願書類の控えとともに出願番号をお知らせいたします。尚、実用新案登録出願は無審査で登録されますので、以下の出願審査請求、拒絶理由通知、特許査定はありません。登録料も出願時に納付します。
特許出願について特許を受けるためには出願から3年以内に特許庁に出願審査の請求をしなければなりません。
その際、特許庁に審査請求料を支払います。審査請求をしますと、特許庁の審査官が特許要件(新規性、進歩性等)について審査します。審査には通常1~2年ほどかかりますが、審査をお急ぎの場合は特許庁に早期審査を要求することにより、2~3か月で審査の結果が得られます。
尚、早期審査には2年以内に発明を実施する予定があるなどの要件があります。また、特許庁に支払う審査請求料は通常15万円ほどですが、小規模企業の要件を満たせば、審査請求料を1/3に軽減する措置を受けることもできます。当事務所では、審査請求期限が近づくとお客様に期限のお知らせを送付しております。
特許庁での審査の結果、出願の発明が先行技術と同一であったり、先行技術から容易に発明することができたものであると判断されると、特許を受けることができない旨の拒絶理由が通知されます。もちろん、拒絶理由通知を受けることなくストレートで特許査定になることもあります。
拒絶理由通知を受けた場合でも、審査官が引用した先行技術との違いを主張したり、先行技術との差異を明確にするために特許請求の範囲を減縮するなど、拒絶理由通知に対して反論することができ、その結果、拒絶理由が解消すれば特許を受けることができます。
拒絶理由通知への対応については、反論の余地について詳細に検討し、対応策についてコメントを作成いたします。コメントには、発明の構成と引用文献の構成とを対比した対比表をお付けいたします。
反論方針が決まりましたら、特許庁に提出する意見書及び補正書の案を作成し、その内容をご確認頂いて特許庁に提出いたします。
審査の結果、拒絶理由がない、または拒絶理由通知に対する反論によって拒絶理由が解消した場合は特許査定になり、特許料を納付することにより特許権が設定登録されます。
特許権が設定登録されますと、特許証が発行され、特許番号が付与されます。
特許料は設定登録時に3年分納付しますが、4年目からは毎年納付します。
特許料を期限までに納付しませんと権利が消滅しますが、納付期限から6か月以内であれば、倍額納付により権利を存続させることができます。当事務所では、納付期限が近づくとお客様に納付期限のお知らせを送付しております。
実用新案権はアイデアを保護する権利としては特許権と同様ですが、権利の存続期間が短く、無審査で登録される点で特許権と異なります。当事務所では、特許と実用新案の選択についてもアドバイスいたします。実用新案権は無審査で登録されるため、本来登録されないような権利も発生します。
このような権利は実際に権利行使できず、実用新案登録をしても意味がないと言われることもあります。しかし、無審査であっても先行技術調査を行って登録性があることを確認しておけば権利行使が可能な場合もあります。また、実用新案の出願から3年以内であれば、同じ出願日を確保しつつ特許として出願し直すこともできます。
最初は費用の安い実用新案登録をしておき、製品化やライセンスが具体的になったときに後から特許出願にすることも可能です。当事務所では、お客様の事情やご意向により、特許だけでなく、実用新案登録の活用も視野に入れた出願のご提案をさせて頂きます。
海外で特許を取得する方法としては、各国ごとに個別に出願する直接出願と、特許協力条約(PCT)による国際出願があります。国際出願は、日本の特許庁を受理官庁として出願することができ、すべての加盟国(現在150か国)に出願したものとみなされますが、権利の取得は任意の国を選んでそれぞれの国で審査を受けることになります。
いずれも日本の出願から1年以内であれば、優先権主張により外国出願でも国内出願と同じ出願日を確保することができます。当事務所では、欧米、東南アジア諸国をはじめ、インド、ロシア、中東、アフリカなど、数多くの現地代理人と提携しております。
特許権侵害等の係争関係に関し、侵害成否の検討、警告書作成、訴訟等に対応いたします。訴訟につきましては、特定侵害訴訟代理業務の付記登録を受けた弁理士が、当事務所と提携している法律事務所の弁護士と共に訴訟代理人となり、主に技術面から訴訟業務に当たります。最近の実績としては、特許権侵害の訴訟において原告側訴訟代理人として均等侵害で勝訴しております。
企業活動の中で生まれる様々なアイデアが特許として保護されるためには、発明が「自然法則を利用」したものであることが要件となります。このため、サービス業等におけるビジネスモデル自体は、自然法則を利用した発明でないとして特許の取得が難しいとされています。
しかし、ビジネスモデルの発明であっても、ITを用いた構成を加えることにより、自然法則を利用した発明として特許を取得できる可能性があります。本サービスでは、当事務所とIT技術者とが連携し、新規なビジネスモデルにITを用いた構成を加えることにより、ビジネスモデル特許の取得をサポートいたします。
自社の技術が他社の特許権を侵害する場合でも、その特許の出願前から自社技術を使用していた場合は、いわゆる先使用権として、他社特許権の権利行使を受けずに自社技術の使用を続けることができます。しかし、自社技術の使用を開始した時期を立証することは容易ではなく、先使用権が認められない場合も少なくありません。
一方、近年普及し始めた電子公証は、公証人役場が書類を電子的に保管するもので、書類の内容や日付を確定するための客観的な証明方法として簡便かつ有効なものです。
弊所では、現在使用している技術に関し、先使用権の立証に必要な書類を作成し、電子証明による保管手続を代行することにより、他社特許の侵害リスクを少なくいたします。
出願から登録までの特許庁への手続代理業務以外にも、出願前における知的財産の発掘、創出から権利取得後の活用まで総合的にサポートさせて頂くことも可能です。
例えば、定期的にお客様を訪問し、自社技術の保護や新規のアイデアに関するご相談、分析、ご提案を継続的に行わせて頂くことにより、お客様の知的財産活動をサポートいたします。
特許・実用新案の標準的な費用の一例です。請求項数、数明細書頁数、図面枚数等の数量によって金額が増減します
外国出願の費用は、出願する国、出願方法(直接出願、国際出願)、現地費用(為替により変動)などにより金額が変わりますので、お問い合わせ頂ければお見積もりいたします。
消費税別
特許 | 事務所手数料 | 特許庁費用 | |
---|---|---|---|
出願時 | 先行技術調査 | 60,000円 | |
出願書類作成・提出 | 250,000円 | 14,000円 | |
審査請求時 | 審査請求書提出 | 10,000円 | |
審査請求料 | 138,000円 | ||
拒絶理由通知応答時 (1回分) |
意見書/補正書 作成・提出 |
150,000円 | |
登録時 | 成功謝金 | 130,000円 | |
登録料納付 | 10,000円 | 9,300円 |
実用新案 | 事務所手数料 | 特許庁費用 | |
---|---|---|---|
出願時 | 先行技術調査 | 60,000円 | |
出願書類作成・提出 | 250,000円 | 14,000円 | |
登録料納付(3年分) | 10,000円 | 7,800円 |